民事(家族)信託について

1. 超高齢化社会の到来と民事(家族)信託の活用

近年日本人の平均寿命は、男性は80歳を超え、女性は90歳を超えそうな状況です。
これは誠に嬉しいことではありますが、一説によりますと85歳以上の方の25%が認知症になると言われております。後見人制度では、原則本人の為にしか財産(お金など)の消費をすることができません。
例えば、孫の教育資金を負担することや、何らかの理由で経済的に弱い子どもに対して、資金の援助をすることは容易にできません。
また、賃貸マンションなどを有している場合、そのマンションの入居契約・修繕などの手続きの際には小回りがきかず、賃貸マンションの経営に支障となります。

2. 民事信託とは

民事信託には、資産(現金預金や不動産など)を所有する人が、家族に管理などを任せることをいいます。
次に資産の運用益の受取人は資産所有者はじめ自由に決めることができます。

2. 民事信託とは

父は財産を所有しています。その管理を子どもに任せたいと思っております。
なお、資産運用による利益は父自身が受取ります。
民事信託には、必ず「委託者」「受託者」「受益者」の3名が登場されます。

(上の図では)
委託者・・・財産の管理を委託する父になります。
受益者・・・財産運用益を受取る父になります。
信託管理人・・・受託者を監督するために、任意に指定することができます。

民事信託の注意点

民事信託契約を結びますと、受託者が委託者に変わって委託されたことを行います。
例えば賃貸マンションの経営・管理など全てを委託しますと、受託者が賃貸契約から、修繕をするか否かも、民事信託契約に基づき、与えられた委託事項は全て受託者が行います。また、民事信託をされた内容は不動産の登記事項記載証明書に記載されます。
なお税務上の所有者は、受益者を所有者とみなしますので、上記の例のようなケースでは受益者は父のままですので、所有権は移転していないことになります。

3. 後見人制度と民事信託

3. 後見人制度と民事信託

後見人制度は、本人の「財産を守る」ことが目的です。
従って先述したように、子孫への贈与などは原則できず、ましてや相続税対策でアパートを建築するなどの行為は一切できません。
民事信託は、本人が認証になる前から契約を結ばらければなりませんが、本人が認知症になっていなくても、民事信託をすることができます。
高齢で財産の管理が煩わしい方は、認知症に関係なく民事信託契約を締結することができます。