ごあいさつ

今日は。私は平成4年に独立開業をしてから、800件を超える相続税の申告業務をさせていただきました。 
平均寿命が延びていることは大変嬉しいことですが、一方では認知症により法律行為(例えば契約書を締結するなど)が出来なくなり、様々な機会で弊害が多く見受けられるようになりました。 
これは、個人情報保護法との関係もあり、家族でさえ本人に変わって契約書にハンコを押すことが出来なくなりました。民事信託では、本人に成り替わり家族が法律行為などをすることが出来る信託契約です。
例えば、アパート経営をされている方は、認知症になる前に、民事信託により家族にその経営を任せては如何でしょうか?

また最近多くの方が遺言書を書き始めています。遺言書は良いことも沢山ありますが、不備なところも沢山あります。 
例えば、本人は中小企業の経営者で、長男は会社を承継しています。長女は嫁いでおります。父親本人は会社にかかわる財産など多くの財産を長男に相続させる遺言書を残しており、後継者の長男も安心をしていました。 
ところが、父親は晩年病気がちになり、その看病を長女と長男の嫁とが力を併せてしていましたが、父親の死後最後の遺言書が出て参りました。その内容は全ての財産を長女に相続させるとなっていました。

遺言書は、遺言する方が一方的に思いを書き込みます。
また最後の遺言書が有効で、本人が一時期の感情で作成されるものも多く見受けられます。
今回のケースでは遺言書ではなく、遺言信託として契約書を締結し、父親と長男双方の同意がなければ遺言書を書き直すことが出来ないようにしていれば、上記のような事は起こり得なかった事になります。

民事信託は、様々な内容の信託契約を締結することが可能です。その分将来に揉め事が発生しないような信託契約を締結することが最も大切です。 
益々長寿社会になります。家族に任せる民事信託により、安心して老後を過ごされては如何でしょうか。

税理士 神緒美樹